友の会しずおか東部 4月の活動
東部地区では4月の活動として、1月に取り組んだ高次脳機能障害の基礎知識の学習に続いて、当事者の親亡き後、配偶者亡き後にどう生活をサポートしていくのかを既存の制度、法律である介護保険制度や障害者総合支援法などの歴史的経緯や現状について学び、経験の交流をしました。
最初に、上智大学の永野仁美教授が放送大学で講義された「家族と高齢者・障害者」を視聴し、現状の制度がどのようになっているかをプロジェクターを使い大画面で概観しました。
参加者で共有できたことは、制度自体があるものの未だ一進一退であり、なによりも当事者・家族が声を出していかなければならないということでした。
訪問介護の介護サービス報酬単価の引き下げによる事業者の撤退や廃業などまさに制度後退の実例です。
高次脳機能障害当事者が現在利用している制度も、これまで「脳外傷友の会」(現在の高次脳機能障害友の会)などの当事者の組織が様々な機関に働きかけてきたことによって遅まきながら現在の制度になり、維持されていることも事実です。
精神障害者が治療の対象のみならず、保健や福祉の対象であるという、現在では当たり前のことでも、1981年の国際障害者年を経てようやく一般化してきました。
それでも、精神障害者福祉手帳制度が創設されたのは、それから14年後の1995年でした。
見えない障害とされた高次脳機能障害者に対する施策はさらに遅れ、2001年から始まった「高次脳機能障害支援モデル事業」を待つまで、この障害は「阻害因子」であり、「治療の対象」でなかったのです。
その後「支援費制度」を経て、2006年に「障害者自立支援法」が施行され、三障害共通の制度となり、高次脳機能障害も含む精神障害者がようやく障害者の雇用枠に加えられました。2013年に「障害者総合支援法」が施行され現在に続いています。
視聴後の交流では、支援拠点機関の中伊豆リハの作業療法士の皆さんも交え、当事者の困難や苦労など話されました。また当事者とともに生活する家族に対する支援も大事であることも出されました。
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